ソーシャルレンディングの担保に設定される質権とは?

にゃんこば
担保は色々な設定があって正直良く分からないっす。。
かもねぎ
何かあった時の担保なんだから、リスクを下げるためには覚えておいた方が良いよ。

質権とは?

ソーシャルレンディングの担保には、質権が設定されることが多いです。質権とは「約定担保物権」と言って、貸したお金を返して貰えないときは、質権設定した担保から優先して返済してもらえる権利です。

抵当権も質権とほぼ同じですが、抵当権と質権の違いは担保を占有するか、しないか、の違いになります。

つまり、貸したお金を返済して貰えなくなった時に、担保を占有&売却して返済に充てることが出来るようになります。
その代わりに占有後の維持費などは、占有している側が負担する事になるし、占有後は利息も受け取れません。

改めて、ソーシャルレンディングの担保設定を確認する

改めて、ソーシャルレンディング各社で募集している案件の質権をいくつか見ていきたいと思います。

株式に対する質権設定

maneoで募集しているプレリートファンドのセレクトファンドを見てみます。
プレリートファンドセレクト(ヘルスケア・ファンド:東京都目黒区)47号のスキームはこうなっています。

スキームを見ると、このファンドには担保として、事業者EF関連が保有する不動産保有会社Aの株式に対して質権設定されていることがわかります。しかし、スキームを見てもどの程度の株式に質権設定されたのかわかりません。ちゃんと書いて欲しい所です。

株式に対する質権設定とは?

質権といえば不動産に設定されるイメージがありますが、事業者によっては担保に設定できる資産が無い場合があります。そんなときに設定されるのが株式に対する質権です。創業して間もなくても創業者は会社の株式を保持しています。その株式を担保に設定するのが株式に対する質権設定です。

もし返済して貰えなかった時は株式を取得することが出来るようです。もっとも、担保に設定した時の内容や条件によって株式の取得を拒否されるなどリスクを伴う場合があるようですが、詳細確認できないので不明です。

不動産に対する根抵当権

次に、maneoで募集しているファンド 不動産担保付きローンファンド1104号 を見てみます。スキームはこうなっています。

スキームを見ると、不動産事業者DCが取得する土地・建物を担保として設定しています。不動産事業者DCが取得する土地・建物の評価は約7406万円だそうです。

融資額は6200万円なので、119%分の評価額となりますが、根抵当権の極度額よりも少ないのが気になります。現在の融資額なら問題にならないと思いますが、融資額が増えたりすると担保で賄えない可能性も出てきそうです。

公正証書で契約しているため、返済がされなかった場合は裁判をしないで強制執行が可能です。また、担保の設定順位は第1順位なので何かあった時は、一番高い優先順位で返済を受けとることになります。

不動産根抵当権とは?

根抵当権とは抵当権の一種です。抵当権が特定の担保に対して設定されるものですが、根抵当権は極度額の範囲内で不特定多数の債権を担保するものになります。

根抵当権の場合は、極度額の範囲内で優先的に返済してもらえます。しかし、根抵当権の場合は極度額の範囲内で融資額を増やすことも可能なため、最終的に極度額までは借入額が増える可能性があると思います。

今回のスキームによると、不動産根抵当権の極度額が7440万円ですが、担保設定されている不動産の評価額は7406万円となっており、極度額ギリギリまで融資額が膨らむと担保設定されている不動産の範囲を超えてしまう可能性がありそうです。

公正証書とは?

法務大臣に任命された公証人が作成する公文書のことを公正証書と言います。「公正証書」には証明力があり、執行力を有しているため、返済がされなかったときに裁判所の確定判決を行わなくても口座の差し押さえなどの強制執行ができる証書となります。

通常、強制執行には裁判に勝つ必要があります。しかし、裁判中に破産されると強制執行できなくなるので公正証書による契約はかなり有効だと思います。

不動産に対する信託受益権の設定

maneoの案件の 事業性資金ローンファンドGC137号 では、担保に信託受益権が設定されています。スキームは以下です。

信託受益権に質権が設定されているという事は、対象不動産からの賃料収入を受けとる権利を有していることになります。ここで注意しておきたいのは、賃料収入に対する担保設定しか行っていないため、もしも賃料収入が下がった場合は返済額も下がるということになると思います。

この案件については、上場企業のLCホールディング(株)の連帯保証が付いているため、元金は保証されていますが、信託受益権に質権が設定されているときは注意したいですね。

まとめ

maneoで募集しているファンドの質権をいくつか見てきました。

ここで紹介できたのは担保の一部でしかありませんが、質権、根抵当権、公正証書、信託受益権、このあたりの知識があれば多少はリスクの判断が出来るのではないかと思います。

これ以外にも色々な担保が設定されているので、今後も気になったものは調査して記事にしていきたいと思います。